北海道良水株式会社

新水IBUKI通信 2014年 皐月 00027

だしのとり方

昔から今に至るまでたくさんの料理本が出版されています。そして、これからも出ることでしょう。出版界には「自伝」と「子育て本」は売れない、という言い伝えがあるそうですが、料理本はこの中には入っていません。
さて、『吉兆味ばなし』(*吉は土に口の方)という昭和57年に「暮らしの手帖社」から出版された本を数十年ぶりに取り出してみました。熱心に読んだ時代もあって、ところどころに傍線が引かれていました。
湯木貞一さん(1901~1997・創業者)の話を花森安治さん(1911~1975・創刊者)が聞き出したものです。すると271頁下段に「だしのとり方」がありました。早速、その部分を。

……まず、昆布とかつおは、出来るだけ上等のものを用意して下さい。まず昆布ダシです。これは二リットルの水に三十センチぐらいの昆布を、二本は入れてもらわなければいけません。少し多いようですが、昆布だけで、ちょっとおいしいなと思える程度に入れてほしいのです。そこへかつおを入れてこそおいしいのですが、おまじない程度の昆布では、おいしいダシはとれませんね。昆布は水から入れてもらって、水があたたかくなってきたら、ぬいてしまいます。ぐらぐらといわせたらいけませんよ。……

“おまじない程度”とは、言いえて妙。しかし「水」についての言及がありません。関西方面の有名料理店は自前の井戸の水を使っているそうですが、一般家庭向けの料理本ですので、湯木さんもそこには触れずに、水道水を前提に語っていたのかもしれません。もっと別の理由があるのか、そこは分かりません。もし、湯木さんが今もご健在なら「新水いぶき」を指名されていたのでは? と想像したくなります。

横市フロマージュ舎(北海道芦別市)代表のお話

30年以上も昔、北海道で「ナチュラルチーズ」をだれも製造していない黎明期に挑戦して、今も製造・販売を続けている横市英夫さんからある会でお話をお聞きしました。

最初から今日まで、全国のお客様へ直接、製品をお届けする仕組みは、約6万人の方々に支えられて今日まで来ているそうです。ご自身が「価格は決して安くありません、といえば控えめな言い方になります」と苦笑まじりに話されます。
宣伝は一切しないことだけは宣伝しています……とこれも笑いながら教えてくれました。フレンドリーな方だけに、この30年をこえる実績から事業の要の部分を公開してくれました。成功する事業にはいくつかのパターンがあるでしょうけれど、その中の一つとして横市流を語録のようにご紹介。

1⇒ 顧客を家族と思う。「家族に良いもの、美味しいものを提供したい」という気持ちが出発点にあったので、それで家族とお客様は同じという気持ちでずーっと接してきました。

2⇒ 絶対価値商品であること。これは、他の類似商品と価格で競争したり、新奇性を誇るデザインだったり、商品の本質部分でないところで競う必要のない商品であること。

3⇒ 直接、お客様と結びつく。流通の中間にある問屋さん、販売店さんとの取り引きは、お客様の反応をキャッチしづらいこともあって直接販売を心がけてきたのです。

【聞き書き&投稿】
歯磨きに「新水いぶき」~S.K(札幌)

出先で飲み物が欲しくなった時のために「空きペットボトル」(500ミリリットル)に「新水いぶき」を入れて持ち歩くようになった知人が発見したこと。 人と街中の喫茶店などでお会いすることが重なると、自宅から持ってきた「新水いぶき」を残すことがあって、それを歯磨き後の「ゆすぎ」用に使ってみて驚いたのさ。歯磨き粉には、爽快感を出すためなのか、香料や少し刺激のある味を感じることがあると思うんだよね。それが、ペットボトルに残っていた水で口を濯いでみて、水道水と違うことに気づいた、という単純なお話さ。
この発見におまけもあった。いくら自分専用でも容器は時々、洗うこと。

【編集】北海道良水(株) 「遠友いぶき・ひと花プロジェクト」

【バックナンバー】新水IBUKI通信

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